3章メモ グラスマン多様体
n次元ベクトル空間Vのk次元部分ベクトル空間がなすグラスマン多様体$G(k,n)$を考えている。
$G(k,n)$の元Λは、k個の線形独立なベクトルで貼られる。

*注意
$G(k,n)は、$(n-1)次元射影空間の(k-1)次元平面の集合と同一視できる。
この意味でグラスマン多様体を描写するときにはGを太文字にして、$\mathbb{G}(k-1,n-1)$と書く。

k=2,n=4を例に上記の同一視を説明しておく:
$G(2,4)$の元:4次元ベクトル空間において$(a_1,a_2,a_3,a_4)$と$(b_1,b_2,b_3,b_4)$で張られる2次元部分ベクトル空間
$\mathbb{G}(1,3)$の元:$\mathbb{P}^3=\{[x_1:x_2:x_3:x_4]\}$において、2つの平面$a_1x_1+a_2x_2+a_3x_3+a_4x_4=0$, $b_1x_1+b_2x_2+b_3x_3+b_4x_4=0$ で切り取られる直線

この$G(2,4) = \mathbb{G}(1,3)$のChow群について、chow.htmlの[例5]で紹介した。
「P^3の4本の直線と交わる直線」という課題に応用できることもそこで紹介した。
プリュッカー埋め込みを使うと、この答えを得る別の視点を得る(このページの[4])。

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[1]「プリュッカー埋め込み」により、グラスマン多様体を射影空間に埋め込める。

#k=3,n=7をしばしば例にしようと思う。
$(a_1,a_2,..,a_7)$,
$(b_1,b_2,..,b_7)$,
$(c_1,c_2,..,c_7)$ で張られる$G(3,7)$の元Λを考える。
(特定のΛに対するこれらの座標の決め方は一意的でない。)
異なる添え字$i,j,k$に対して、プリュッカー座標$p_{ijk}$は、
$\begin{vmatrix} a_i & a_j & a_k \\ b_i & b_j & b_k \\ c_i & c_j & c_k \\ \end{vmatrix} $ という3次正方行列で定義される。
k個の異なる添え字に対する$p_{123},p_{124},...$たちを、C(n,k)=35個の成分を持つ34次射影空間の座標と解釈する。
そうすると実は比 $[ p_{123}:p_{124}:...:p_{567} ]$ はk次元空間としてのΛだけで定まり、しかも異なるΛに対して異なる。
こうして、プリュッカー埋め込みと呼ばれる埋め込み $G(3,7) \to \mathbb{P}^{34}$ が定義される。

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[2] プリュッカー埋め込みのアフィンによる被覆の描写

Γを特定の(n-k)次元部分空間とする。
Γと原点だけを共有するk次元部分空間の集合$U_\Gamma$を考える。
これが、$G(k,n)$のザリスキ開集合をなす。

#7次元空間Vの基底ベクトルv_1,2,3,4,5,6,7として、v_4,5,6,7で貼られる空間をΓとする。
Γと原点だけを共有するk次元部分空間は、
$(1,0,0,a_4,a_5,a_6,a_7)$,
$(0,1,0,b_4,b_5,b_6,b_7)$,
$(0,0,1,c_4,c_5,c_6,c_7)$ の形で張られるとおけて、かつ、12個の成分は一意的に決まる。(標準形と呼ぶことにする)

これが、$\mathbb{P}^{34}$のうち$p_{123}\neq 0$なアフィンに対応する。
またこの表示から、$G(3,7)$はこのアフィンにおいて12次元アフィン空間と同型であることが分かる。

プリュッカー座標の変数$p_{ijk}$の値は、7列から3列選んだ3次正方行列式であることを利用して、
行列式の列展開や行展開によりプリュッカー座標変数間が条件式、すなわちグラスマン多様体を切り取る方程式を得る。
具体的には例えば、
$p_{123}p_{456} = p_{423}p_{156}+p_{143}p_{625}+p_{124}p_{563}$
(これは、 $\begin{vmatrix} a_4 & a_5 & a_6 \\ b_4 & b_5 & b_6 \\ c_4 & c_5 & c_6 \\ \end{vmatrix} = a_4 \begin{vmatrix} b_5 & b_6 \\ c_5 & c_6 \\ \end{vmatrix} + b_4 \begin{vmatrix} c_5 & c_6 \\ a_5 & a_6 \\ \end{vmatrix} + c_4 \begin{vmatrix} a_5 & a_6 \\ b_5 & b_6 \\ \end{vmatrix} $ という展開に由来する。)
$p_{123}p_{451} = p_{423}p_{153}-p_{523}p_{143}$
(これは $\begin{vmatrix} a_4 & a_5 \\ b_4 & b_5 \\ \end{vmatrix} =a_4b_5-a_5b_4 $ という展開に由来する。)
のような関係式がある。
このような関係式たちによって、$\mathbb{P}^{34}$から$G(3,7)$が切り取られる。

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[3-1] このアフィンをHom(Λ,Γ)と同一視できる。原点の役割をするU_Γの元を1つ取ってΛとする。
そうすると、直和分解 V=Λ+Γがある。$U_\Gamma$の元は、ΛからΓへの線形写像のグラフと同一視できる。

#Λの基底をv_1,2,3, 残りの基底をv_4,5,6,7としておく。
$v_1$を$(a_4,a_5,a_6,a_7)$に送り
$v_2$を$(b_4,b_5,b_6,b_7)$に送り
$v_3$を$(c_4,c_5,c_6,c_7)$に送るようなHom(Λ,Γ)の元を、

$(1,0,0,a_4,a_5,a_6,a_7)$,
$(0,1,0,b_4,b_5,b_6,b_7)$,
$(0,0,1,c_4,c_5,c_6,c_7)$ で張られる$U_\Gamma$の元に対応させる。

[3-2] この視点により、Λにおける接平面(k=3,n=7の場合は12次元アフィン)を、Hom(Λ,Γ)と同一視できる。
G(k,n)にはΛを通る、G(k,n)の次元に等しい個数の独立な接線がある。(練習3.17-18)
より詳しくは、k個の独立な(n-k)次元の接平面がGに包含されており、これを合わせたk(n-k)次元の接平面を生成する。

#例えば、$v_1,v_2$を0に送るような、Hom(Λ,Γ)の元たち(つまり
$(1,0,0,0,0,0,0)$,
$(0,1,0,0,0,0,0)$,
$(0,0,1,c_4,c_5,c_6,c_7)$
で張られる3次元空間たち)は、$\mathbb{P}^{34}$のあるアフィンにおいて$G(3,7)$に包含される4次元平面となる。

*特に、グラスマン多様体の接ベクトルは等方的対称でない。
Hom(Λ,Γ)の元としての像の次元として、接ベクトルに1からkまでのrankをつけることができる。

*いくつかの練習問題(3.23, 3.26-3.28)を通して、この描写の幾何的イメージができてきた。
接ベクトルは、それに沿う曲線を通して、Gの元が連続的に移っていく様子と解釈できる。
例えば、$\mathbb{G}(1,n)$の描写の場合、これは$\mathbb{P}^n$内の直線族が変化する様子と解釈できる。
ベクトル空間バージョンの$G(2,n)$の元の基底(2方向)は、$\mathbb{P}^n$の直線上の2点に対応する。
この描写では、ある点Λ、すなわち$\mathbb{P}^n$の直線の接ベクトルは、
「Λ上の2点がどの方向に変化するか」を記述したものと理解できた。
(伝えるのが難しい・・)

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[4] プリュッカー埋め込みによるシューベルトサイクルの像

n次元ベクトル空間Vの部分多様体の列$0 \subset V_1 \subset ... \subset V_n=V$を固定する。
aを、n-k≧a1≧..≧ak≧0を満たす整数列{$a_1$,..,$a_k$}とする。
シューベルトサイクルは
Σ_a = {Λ∈G; Λと$V_{n-k+i-a_i}$と交わりがi次元以上} と定義される$G(k,n)$の部分多様体で、
その次元は、|a| = Σa_iに一致する。

定理4.1 シューベルトサイクルは一般の場合にもchow.htmlで紹介したようなアフィン分解を成す。
具体的には、Σ_aから、abとなるΣ_bたちを除いた集合が、余次元|a|のアフィン空間となる。

定理4.3 シューベルトサイクルは、プリュッカー埋め込み先において、グラスマン多様体から座標変数で切り取られる!
具体的には$b_i=n-k+1-a_i$とおくと、b'bを満たさないようなp[b']=0 で切り取られる:

#例:G(2,4)は p12*p34+p14*p23-p13*p24=0 で切り取られるのであった。
Σ_{a,b}を切り取るp[ij]=0 は「(i,j)≦(3-a,4-b)でないもの」で記述できる。
Σ_{0,0}: 全体
Σ_{1,0}: p[34]=0(従ってP^3の錘p14*p23-p13*p24=0上のファイバー)
Σ_{2,0}: p[23]=p[24]=p[34]=0
Σ_{1,1}: p[14]=p[24]=p[34]=0
Σ_{2,1}: p[14]=p[23]=p[24]=p[34]=0
Σ_{2,2}: p[12]以外が0

この描写からも、Σ_{1,0}とΣ_{1,0}のChow群の積は(有理同値を使って)、p[24]=p[34]=0 で切り取られるものと描写できて、
Σ_{2,0}とΣ_{1,1}の合併であることが観察できる。

さらに、「P^3の4本の直線と交わる直線」という課題は、この視点では、 Gを切り取る2次式と、Σ_{1,0}の類、すなわちp[34]=0な類、すなわちP^5の平面類を4つ交叉させたものだから、次数2と納得できる。

練習3.17
Vをn次元ベクトル空間、γ,λを$G=G(k,n)$を異なる元とする。
Gをプリュッカー埋め込みによる$\mathbb{P}^N=\mathbb{P}(\land^k V)$の閉部分多様体とみなす。
$\mathbb{P}(\land^k V)$の部分集合としてのγとλを結ぶ直線がGに包含されることは、
Vの部分集合として対応するγ、λの交わりがk-1次元であることに同値であることを示せ。

#問題の意味を把握するためn=4,k=2の場合の観察。
$\mathbb{P}(\land^k V)$は$\mathbb{P}^5$である。
$G$は、$p_{12}p_{34}+p_{14}p_{23}-p_{13}p_{24} = 0$ で切り取られる2次超曲面である。

γ=xy平面、λ=zw平面とおくと、Vの部分集合としてのこれらは原点でのみ交わる。
プリュッカー座標$[p_{12}:p_{23}:p_{34}:p_{14}:p_{13}:p_{24}]$を計算すると、
$\mathbb{P}^5$の点としては、γ=[1:0:0:0:0:0], λ=[0:0:1:0:0:0] となる
γとλを結ぶ直線は [s:0:t:0:0:0] で記述され、Gとの交点はst=0に限られ、Gに包含されない

一方で、γ=xy平面、λ=xz平面とした場合は、Vの部分集合としてのこれらは直線で交わっている。
$\mathbb{P}^5$の点としてのこれらを結ぶ直線は、
$[p_{12}:p_{23}:p_{34}:p_{14}:p_{13}:p_{24}] = [s:t:0:0:0:0]$ と表され、常に上の2次式を満たし、$G$に包含される。

#特定のアフィンで考える。
$p_{12}\neq 0$ なアフィンは、Vの言葉では、zw平面と1点で交わるような平面に対応する。
そのような平面は、$(1,0,z_1,w_1)$ と $(0,1,z_2,w_2)$ で張られるとおける。
この平面に対応する$\mathbb{P}^5$の点は $[p_{12}:p_{23}:p_{34}:p_{14}:p_{13}:p_{24}] = [1:-z_1:z_1w_2-z_2w_1:w_2:z_2:-w_1]$ である。

この描写で、(1,0,0,0) と (0,1,0,0) で張られる平面γに対応する$[1:0:0:0:0:0]$と、
$(1,0,z_1,w_1)$ と $(0,1,z_2,w_2)$ で張られる平面λに対応する$[1:-z_1:z_1w_2-z_2w_1:w_2:z_2:-w_1]$ を、
$\mathbb{P}^5$で直線で結ぶことを考えると、直線上の点は$[s:-t*z_1:t(z_1w_2-z_2w_1):t*w_2:t*z_2:-t*w_1]$とおける。
これが$G$に含まれる条件は、$G$の方程式に代入して$st(z_1w_2-z_2w_1) = t^2(z_1*w_2-z_2*w_1)$と記述される。
従って$z_1w_2-z_2w_1=0$ を得る。これはγとλが直線で交わることに相当する。

*一般化を考える。
標準形を考えると、プリュッカー座標は1からkまでのサイズの小行列式たちからなる。
それぞれを成分をt倍しても同じ関係式が成り立つには、2次以上の小行列式が0になることが必要十分で、
特にすべての2次の小行列式が0になることと同値である。(すべての2次小行列式が0なら、3次以上のも0になる。)
γを貼るベクトルを$u_1,..,u_k$とすると、任意の組$u_i,u_j$が張る平面に対してλが直線以上で交わることを意味する。
これは、λとγの交わりがk-1次元以上であることを意味する。(λ≠γによりちょうどk-1次元であることになる。)
(自分は納得したけど読む人がこれで納得できるかは怪しい・・。)

練習3.18
グラスマン多様体$G=G(k,n)$が2次式で切り取られる事実を利用して、
${\Lambda} \in G$における接平面$T_{\Lambda} G$について、$G \cap T[Λ]G = \{\Gamma; \dim(\Gamma \cap \Lambda) \geq k-1 \}$ を示せ。
($\dim(\Gamma \cap \Lambda)$のほうでは、Γ,ΛはVの集合とみなしている)

前の練習から、それぞれの方向の直線がGに含まれているから、これらは接ベクトルとなる。
Λのk-1次元部分空間の集合の次元はk次元なので、
Λとk-1次元を共有するベクトル空間の集合の次元はk(n-k)次元。
この観察から、dim(Γ∩Λ)≧k-1は、次元として十分である。

#前の練習の例 [p12:p23:p34:p14:p13:p24]では、
[1:0:0:0:0:0] と [1:0:0:a:b:0] を結ぶ直線や
[1:0:0:0:0:0] と [1:a:0:0:0:b] を結ぶ直線がGに含まれている。
[1:0:0:0:0:0] と [1:a:0:b:c:d] を結ぶ4次元平面が目的の接空間となる。

#k=3,n=7の例で、p123=1:他は0な点をΛとしてそこでの接平面を考える。
 Λは7次元空間の部分集合としては基底x1,x2,x3で張られる空間である。
Hom(Λ,V/Λ)の言葉で、
x1,x2を0に送るような方向が、4次元
x2,x3を0に送るような方向が、4次元
x3,x1を0に送るような方向が、4次元
合わせて12次元で、目的の次元となる。
12個の独立な接線があるというより、4次元接平面が独立な方向に3種類存在する状況である。

練習3.23

Bを$\mathbb{G}(1,n)$の曲線として、すべての接ベクトルがHom(Λ,V/Λ)の意味でrankが1だとする。
Bに対応する$\mathbb{P}^n$の直線族は次のどれかを満たす:
・ある2次元平面に含まれる
・特定の1点を通る
・ある特定の空間曲線に接する

Hom(Λ,V/Λ)の視点でとらえるには$\mathbb{G}(1,n)$の代わりに$G(2,n+1)$で解釈したほうが良い

#実感のための観察:条件が成り立つ例:
P^3の曲線C=[1:u:u^2:u^3]の接線族
=[1:u:u^2:u^3]と [0:1:2u:3u^2]を通る直線族
=[1:0:-u^2,-2u^3]と[0:1:2u:3u^2]を通る直線族
これを$G(2,n+1)$の元として、原点から(1:0:-u^2,-2u^3)と(0:1:2u:3u^2)で張られる平面族と解釈する。

uを1つ固定してΛとする。
ΛはP^3の直線としては、[1:0:-u^2,-2u^3]と[0:1:2u:3u^2]を通る直線であり、
k^4の平面としては、(1:0:-u^2,-2u^3)と(0:1:2u:3u^2)の線形結合である。

ΛにおけるHom(Λ,V/Λ)の意味での接ベクトルは、
(1:0:-u^2,-2u^3)を (0,0,-2u,-6u^2) mod Λ に移す
(0:1:2u:3u^2)を (0,0,2,6u) mod Λ に移す
(1:u:u^2:u^3)を (0,1,2u,3u^2) mod Λ = (0,0,0,0) mod Λ に移す
という具合で描写されて、確かにrank 1であることが観察できる。

a(1:0:-u^2,-2u^3)+b(0:1:2u:3u^2) が零に移るようなa,bは、
k^4の平面においては、直線を生成し、
P^3の直線としては、1点を指定する。
この点が、直線族の変動に対して固定される点
(パラメータuが微小変化したときに直線族の上に居続けるような点)となる。

この問題のrank 1であるという条件は、このような点が存在する条件と解釈できる。

#別の例:古典的な包絡線の問題 y^2=2xt-t^2 について
[1:x:y]∈P^2 として [1:t:t^2] と [1:0:-t^2] を通る直線族Λ(t)としてこの視点で考察を試みると、
[0:t:2t^2]=[0:1:2t]∈Λ(t)に注意して
(1:t:t^2)の微分が (0,1,2t)≡(0,0,0) mod Λ
(1:0:-t^2)の微分が (0,0,-2t)
なので (0:t:2t^2)が「接点」であることが分かる。

#rankが1でない例は、例えば螺旋階段みたいな[1:0:0:t]と[1:1:t:t]を結ぶ直線の族:
(1:0:0:t)を(0,0,0,1)に送り、
(1:1:t:t)を(0,0,1,1)に送るのでrankが2である。


以下、記号~は、「$\mathbb{G}(1,n)$の代わりに$G(2,n+1)$で解釈」するときに対応するものを意図している。
練習3.26
$\mathbb{G}(1,3)$のシューベルトサイクル$\Sigma_1 = \{ \mathbb{P}^3$ の特定の直線Lと交わる直線 } を考える。
$L \neq \Lambda \in \Sigma_1$とする:Λ∩Lが1点qであり、ΛとLが貼る平面をKとする。
$\Sigma_1$におけるΛの接空間は、$T_\Lambda(\Sigma_1) = \{\phi \in {\rm Hom}(\tilde{\Lambda},\tilde{H}/\tilde{\Lambda}); \phi(\tilde{q}) \subset \tilde{K}/\tilde{\Lambda} \}$ で記述される。

練習3.27
シューベルトサイクル$\Sigma_{2,1}$: { $\mathbb{P}^3$の特定の点pを含み特定の平面Hに含まれる直線}を考える。
$\Lambda \in \Sigma_{2,1}$とする
$\Sigma_{2,1}$における$\Lambda$の接空間は、
$T_\Lambda(\Sigma_{2,1}) = \{\phi \in {\rm Hom}(\tilde{\Lambda},V/\tilde{\Lambda}); \phi(\tilde{p})=0, {\rm Im} \phi \subset \tilde{H}/\tilde{\Lambda} \}$ で記述される。

練習3.28
これらより$\Sigma_1$と$\Sigma_{2,1}$が横断的に交わることを示し、それらのサイクル積が1であることを結論せよ。

LとHの交点をqとする。(適当に線形変換をして、HとKが横断的に交わり、LがHに含まれないようにしておける。)
そうすると$\Lambda \in \Sigma_1 \cap \Sigma_{2,1}$ となるようなΛは、Λがpとqを結ぶ直線のときだけである。
この交点Λにおける接空間を観察する。
$\phi$は$\phi(\tilde{p})$と$\phi(\tilde{q})$で決定される。
$\Sigma_1$の接空間は、$\phi(\tilde{p})=\tilde{K}/\tilde{\Lambda}$, $\phi(\tilde{q})$は$\tilde{V}/\tilde{\Lambda}$全体 で記述され、3次元。
$\Sigma_{2,1}$の接空間は、$\phi(\tilde{p}) \subset \tilde{H}/\tilde{\Lambda}$, $\phi(\tilde{q})=0$ で記述され、1次元($\tilde{H}$が3次元、$\tilde{\Lambda}$が2次元)
という具合に、それらが横断的に交わっていることを納得した。

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