開リーマン面
・「リーマン面と代数曲線」という資料に出会った。
https://twitter.com/tsujimotter/status/1254760964181745667
証明なしで「あらすじ」が多く書かれている。
私が最初にこの分野の本を読んだときには、証明をとばして主張を拾い読みしていた。
この資料は、その役割を果たしてくれる。
最初に出会っていたらと思う一方、ある程度分かった段階で読むのも、読みやすくて良かった。

・定理1.8に登場する「標準切断」について、以前に出会ったうきわの多角形展開の図を思い出した。
https://twitter.com/icqk3/status/1061387248711565312

開リーマン面というものをあまり考えたことがなかったことに気がついた。
しかし最近考えたC-{0,1}は開リーマン面の例だと気がついた。


Γをフルモジュラー群とする。 Γはよく知られているように上半平面Hに作用する。((az+b)/(cz+d)のように) j関数: H→C があって、z1,z2∈Hに対して j(z1)=j(z2) ⇔ γ∈Γがあってγ(z1)=z2 つまりこのときj関数は Y=H/Γ上の関数と考えることができて、 これにより、Y→Cは正則同型と言える。(たぶん) Hにcuspを追加したものをH*とする。 cuspとは∞と、実軸上の有理数である。(これらは、Γの元で移りあう) X=H*/Γは、Yにcuspを1つ追加したものである。 これにより、Xはリーマン球面に正則同型となる。 ・被覆の考察で扱ったΓ(2)を考える。 これは [[A,B],[C,D]]≡[[1,0],[0,1]] (mod 2) という合同部分群を意味している。 Y2 = H/Γ(2) X2 = H*/Γ(2) とおく。λ関数は、正則同型 Y2 → C-{0,1} を引き起こすのだった。 基本領域には3つのcusp{0,1,∞}があって、これらはΓ(2)の元で移りあわない。 X2は、Y2に3点追加したもので、X2もリーマン球面に正則同型であろう。(たぶん) ・Γ(2)の基本領域は、Γの基本領域を6つ合わせたものだった。 そこで、6重の分岐被覆 X2→X, Y2→Xがある。 これについて、リーマンフルヴィッツの公式を観察することをした。 ・分岐点の観察: iの逆像は3点(×印、2重点×3)1+1+1 = 3 ωの逆像は2点 (〇印、3重点×2) 2+2 = 4 ∞の逆像は3点 ({0,1,∞}、2重点×3) 1+1+1 = 3 リーマンフルヴィッツの公式に当てはめると、 χ(Y2) = 6*χ(Y)-3-4-3 χ(X2) = 6*χ(X)-3-4 となるはずである。 コンパクト、つまり閉リーマン面のオイラー標数は、2-2gで良いが、開リーマン面の場合はどうだろう。 実多様体としての特異ホモロジーH^0,H^1,H^2の次元の交代和に戻って考える。 (閉リーマン面の場合は 1,2g,1 であった) (H^1の次元は基本群の生成元の個数と認識している。) Cからn点取り除いた開リーマン面ではこれらの次元は、1,n,0になると思う。 従ってオイラー標数は1-nとなる。 https://math.stackexchange.com/questions/1244681/difference-between-euler-characteristics-of-a-riemann-surfaces 実際に種数gの閉リーマン面からr点除いたもののオイラー標数は2-2g-rらしい。 Cからn点取り除いたものは、リーマン球面から(1+n)点取り除いたものと解釈すると合致する。 なので、オイラー標数は χ(Y2)=2, χ(Y)=2, χ(X2)=-1, χ(X)=1 となる。これを上記の等式に当てはめると、成立が観察できる: 2 = 6*2-3-4-3 -1 = 6*1-3-4
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