§18.一変数関数の定積分と原始関数(続き)
気合が必要。より簡単に変形できるかもしれないし間違っているかもしれない。
(18.13)積分せよ。
(18.14)積分せよ。
分母を払ってとおくとを得る。
あとはの最高次から係数を比較してを次々と得る。
とおくと
とおくと
とおく。
とおく。
(18.15)積分せよ。
を整数としての範囲でと置換積分する。
これは、logの中身の分子または分母が0でない限り連続であるが、
実はそうなるのはsinx=aであるときに限ることが分かるので良いF(x)となる。
a=1/2, A=0の時のグラフを参考に示す。[赤:f(x), 青:F(x)]
(1)と同様にを整数としての範囲でと置換積分する。
これをF(x)とし、a=1/2, A=0としてグラフを書くと、下のようである[赤:f(x), 青:F(x)]
例えばx→π-0でのF(x)の極限を考えるとtan(x/2)→+∞だからArctan(*)→π/2でF(x)→π
同様にx→π+0でのF(x)の極限を考えるとtan(x/2)→-∞だからArctan(*)→-π/2でF(x)→-π
従ってF(x)を以下のように定めればF(x)は[-∞,+∞]で連続となるので求めるものとなる:
(18.16)(a,b)≠(0,0)である。
とする。
の原始関数は
の線形結合で表せることを示せ。
と書く。と仮定する。それらは、
を満たせばよい。具体的に、
と求められ、これらによって得られるはf(x)の原始関数となる。
を求めよ。
前問に係数たちを代入する。
(18.17)k,m,nは整数。とする。
関数のI上での原始関数をと表す。
この時、定数差を除いて、(1),(2)の等式が成り立つことを部分積分等を用いて導け
m≠-1の時、部分積分を使って
しかしながら、m=-1を代入してもこの式は成り立つことが分かるので一般に、
を使った。整理して求める式を得る。(2)も同様だろう。
(18.18)と定める。
従って、を得る。
mについても同様なので、よく考えれば、!!を使って次のように書ける。
[m%2,n%2はそれぞれm,nを2で割ったあまりを意味する。]
(18.19)a>0, nは整数, I=(-a,0)あるいは(0,a)
のI上での原始関数をと表す
(1)関数を求めよ。
(n=-1)√を丸ごとyとおく。
(n=0)Arcsinの導関数を思い出す。
(2),(3)n≧0及びn<0の時に対して自然な漸化式を得よ。
ヒントの等式:
ここで、
最終項にこれを代入して両辺を積分して整理する。
(18.20)a<b。積分せよ。
√を丸ごとtとおく。逆に解いて、
[第二項で√を丸ごとtとおく]
(18.21)a<b。積分せよ。
第二項のlogの中身の分母分子に適当に同じものをかけた変形を2つ示しておく:
(18.22)a,b,α,βは実数、(a,b)≠(0,0)≠(α,β)とする。
と比較して逆に解けば、
とする。
設定より, である。
のように部分積分を繰り返せば、最終的に、
(18.23)前問の形に変形して積分せよ。α≠0。
(18.24)積分せよ。α≠0。
第二項は分母分子にsinxをかけてc=cosxと置換すれば、
と積分されるのでこれを元の式に代入して次のようになる。
例によって第二項は半角公式を使ってtanで書くこともできる。
(18.25)積分せよ。a>0。
[(1)と同じ]
第二項はy=√xと置換積分すれば、
(第二項)
となるのでこれを代入して次のようになる。
第二項はθ=Arcsinyと置換すれば、
これを先の式に代入すれば、次のようになる。
(18.26)定積分せよ。a,b>0。
とりあえず積分区間を無視してt=tanxが定義される区間で不定積分する。
後は元の積分区間をπ/2,3π/2で分割してそれぞれ求めて合計する:
あるいは対称性に注目して0からπ/2までの定積分を4倍する:
0からπ/2までの定積分とπ/2からπまでの定積分が打ち消し合って0になる。
[例えば後者の積分でπ-x=yと置換すれば前者の符号を変えたものに等しいと分かる]
(18.27)a<b, α<β, gは[α, β]上で非負, 有界, 積分可能。
と定め、G(β)=bであるとする。
fは[a,b]上の有界実数値関数。
fが[a,b]上積分可能であるならば、f(G(t))g(t)も[α,β]上積分可能であって、
が成り立つことを示せ。
加法的区間関数の性質を用いる方法に従う。
a≦c<d≦bであるc,dに対して、Φ1,Φ2を、
と定める。ただしξ,ηはG(ξ)=c,G(η)=dを満たす[α,β]の元。
[(つまり[a,b]に含まれる閉区間全体)から実数への写像]
まず、上の定義がξ,ηによらないことを確かめる:
ξのみ確かめれば十分。Gはその定義とg≧0により広義単調増加である。
従ってG(ξ)=cとなるξがただ1つでないとき、その集合は区間であり、
その区間ではgは0である。従ってどのξを採用しても上の定積分の値は等しい。
次に、これらの写像は加法的区間関数であって、次の条件(*)を満たすことを導く:
(*)
[Iは[a,b]に含まれる区間だが、積分区間は[α,β]に含まれる区間である]
Φ1だけ考えればΦ2も同様だろう。
まずΦ1([c,d])+Φ1([d,e])=Φ1([c,e])を確かめる。
これはG(ξ)=c,G(η1)=G(η2)=d,G(λ)=eとなるξ,η,λを使って、
と書かれる。
先の考察によりη1,η2の間でg=0なので等式が示される。
次に、Gが単調増加なのでであること、及び、
に注意すると、
さて、Φ1、Φ2が(*)を満たす加法的区間関数であることが示された。
"fが[a,b]上積分可能である必要十分条件は、(*)を満たす加法的区間関数Φが一意的に存在することである"
らしいので、これでΦ1=Φ2、従ってf(G(t))g(t)が積分可能であることが示された。
2009/11/7
2010/12/17 数式がいくつかおかしかったので修正
2010/12/17 数式がいくつかおかしかったので修正
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