誤字ってたり答えが間違ってたり説明が不十分だったりしてそう。
問題たちはスキャナして頂いたのをこのページにもとりつけておいた。
18:59 2009/08/27:7.1が抜けていたのを修正。
11:49 2009/08/28:3.2に間違い指摘され修正。

練習問題1

[問題]
1.1
(1)へこんでる。極小。
(2)もちろん因数分解。放物線を水平移動した面。へこんでるけれど、
どんなに小さな開円盤を考えても原点で最小にはならないから、極小ではない。
(3)極小。
[極小の定義は1.2の通りなのでそれに基づいてみると確実]

1.2
極小値を"とらない"ことを表す文。
簡単に言うと、
"どんな開円盤を考えても'(a,b)のみで最小'とできない"
ということ。それと同等な主張を選べば良いと思う。
・rは任意に選ぶのでA,B,Cのように"あるrがあって..."という趣旨の主張は該当しない。
理解さえしなくていいだろう、というかB,Cは理解しがたい。
・次に、後半、f(a,b)以下の値を与える別の点(x,y)は、1つでもあれば良いのだから
D,G,Hのような"任意の点(x,y)に対して..."はだめ。
[残りE,F,I全てが正解]
このように、選択肢が多い場合はばっさり消去するのが良いと思う。

1.3
[定義に従う]
(1)"ある開円盤を考えたら原点で最小"を言えばよい。
λ=2なので後ろの( )内は正であるから、結局多項式の極小を示すのと同じ
-1<x<1とすれば前の( )はx=0に限り0でさもなければ正であるから言えた。
(2)"どんな開円盤でも'原点のみで最小'にならない"を言う。
cos(2π/x)=λ=1/2のときにfは0になる。 そのようなxは原点にどんな近くでも存在する。これを数式化すればよい。

練習問題2,3

[問題]
2.1
関数の極限である。
(1) (任意の正数εに対して) あるδがあって-δ<x<δならば1-ε<sinx/x<1+εとできる
と同等のことを書けばよい。x=0を考慮する必要は知らない。
(2)εとして1/2をとると
0<|x|<δならば1/2<sinx/x
となるようなδが存在するが、このδが良いrになる。
(3)極限の中身は、
x・sin・(2)の式とみなせる。
(2)の範囲で、この式は-2x以上2x以下といえるからはさみうてる。

2.2
x=rcosθ,y=rsinθとおくのが王道だろう。
θがどのように変化してもfがrの式で上から評価
(つまりθを含まない式ではさみうてば良いだろう)

3.1
演習でやった通り。f(0)≧0,f(1)≦1であるから
g(x)=f(x)-xとおくと中間値の定理が使える。

3.2
(1)0付近で上下に激しく揺れればいいだろう。
例えば(1/x)sin(1/x)
有界でなければならない。例えば(1-x)sin(1/x)。
(2)同様。上のxの代わりにx2+y2とか入れればいいと思う。

3.3
開集合・閉集合は以前に解説書いたが、弧状連結とは...
"つながっている"と解釈して良いと思う。
(1)ドーナツ。有界、弧状連結、開集合
(2)同じく。有界、弧状連結
(3)円盤。有界、弧状連結、閉集合
(4)開円盤。有界、弧状連結、開集合
(5)円周2つ。有界、閉集合(境界⊂集合だから)
(6)十字の真ん中以外。弧状連結、閉集合
(7)切れた砂時計みたいな形。開集合
(8)双曲線の外側。閉集合。

練習問題4・5

[問題]
4.1
f(x)が原点で水平なら逆関数は原点で垂直なので微分不可能、条件を満たす。
例えばf(x)=x3でいいだろう。

4.2
計算しようか。
arcsinxの微分は1/√1-x2である。
f'(x)=arcsinx 1/√1-x2
f''(x)=1/(1-x2) - arcsinx x/(1-x2)3/2
これらを代入。arcsinがつく項が消える。
で答えは1。だと思う。

4.3
(1)訂正が入っている。f(n+1)(x)=a(x)f(n)(x)+b(x)f(n-1)(x).
f(x)=arctanxの微分は1/1+x2.
(1+x2)f'(x)=1.
これをn回微分して[ライプニッツの公式(※)]
(1+x2)f(n+1)(x)+2nxf(n)(x)+n(n-1)f(n-1)(x)=0
よってa(x)=-2nx/(1+x2), b(x)=-n(n-1)/(1+x2)は等式を満たす
(2)x=0を代入するとf(n+1)(0)=-n(n-1)f(n-1)(0)
すなわちan+1=-n(n-1)an-1
an=0(n:偶数),(n-1)!(-1)(n-1)/2(n:奇数)
[そのf(x)=x-1/3x3+1/55-...を
項別微分すると初項1,公比-x2の等比数列になるね]

(※)fgのn階導関数はΣnCk f(k) g(n-k)となる

∂をPCで打つには"デル"で変換すればよい。
が煩雑になるので偏微分は分数で書くことにする。
5.1
連鎖律により
z/u=z/x x/u +z/y y/u
z/v=z/x x/v +z/y y/v
変換の式からx/u=1,x/v=0,y/u=y/v=1.
これらを代入してz/yの項を消去すれば(D)を得る。

5.2
(1)偏微分して代入。(0,-1/√2)
(2)全微分の考え。無難で明快な方法は、
g(r)=f(π/3+rcosθ,π/4+rsinθ)
を使うと問題の式はg'(0)に等しく、連鎖率により
[x=π/3+rcosθ,y=π/4+rsinθ]
g/r=f/x x/r +f/y y/r
=...
=gradf・(cosθ,sinθ)
(3) (2)利用。(cosθ,sinθ)をgradfの向きにする。

5.3
計算してみるとすぐ示せる。
z/r=z/x x/r + z/y y/r
=z/x cosθ + z/y sinθ.
z/θ=z/x x/θ + z/y y/θ
=z/x (-rsinθ) + z/y (rcosθ)
[後者を1/r倍してから2乗和をとればいい。]

練習問題6・7

[問題]
6.1
ロピタルの定理使っていいよね><

6.2
(1)f(x)=(1+x)1/2
f'(x)=1/2 (1+x)-1/2
...
fn(x)=(1/2)(-1/2)(-3/2)...(-(2n-3)/2) (1+x)-(2n-1)
=1/2n (-1)(n-1) (2n-3)!! (1+x)-(2n-1)
ここで(2n-3)!!=(2n-3)!/(2n-4)!!=(2n-3)!/{(n-2)! 2(n-2)}
よって答えは、
分子:(2n-3)! (-1)(n-1)
分母:(n-2)! 2(2n-2) (1+x)(2n-1)
...かな。
(2)g(x)=Σ1/k! g(k)(0) xk
=f(x2)=Σ1/k! f(k)(0) x2k
これらを比較する。
g(14)(0)/14!=f(7)(0)/7!=11!/(5! 212)
g(14)(0)=11!14!/5!2212=...
=24・38・53・73・112・13
になった。

6.3
x=0のまわりで展開する。
f(x)=1+(1/13)x-(6/132)x2+(50/133)c3
となるc∈(0,x)がある。今x=0.13
c=0とおくと1.0094,c=0.13とおくと1.00945なので
1.0094<f(0.13)<1.00945を得る

6.4
f(k)はkが偶数のときsinなのでf(k)(0)=0.
kが奇数の時cos(0)=1が符号を交互にして現れる。
[sinx=x-1/3x23+1/5x5-...]
そういうわけでテイラー展開するとその式になる。
sinx=Σ(その式)+(余剰項)
あとはn→∞で(余剰項)→0を確認しておく。
[分子はxk+1,分母は階乗だから、
[x]+1より大きな項をすべて[x]+1あたりに下げて、
はさみうちするかんじで主張すればいいだろうか]

7.1
(1)符号に注目すると、 2つの放物線y=x2,y=3x2の間でfは負、外で正。
なのでθ方向でのfの値の変化を見ると、原点で0、原点付近で正になる。
[y=xtanθと放物線の交点を求めると
O:(0,0),A:(tanθ,tan2θ),B:(3tanθ,9tan2θ)
なのでOA間でfは正、AB間でfは負、Oでは0、反対側で正、
すなわちg(x)は例えばsinθが正のときについては次のように変化する。
x...0...tanθ/cosθ...3tanθ/cosθ...
g(x)000
θが他の範囲のときも原点で極小をとると分かる。]

(2)極小をとらないことを示すには次のような方法があった:
"原点のどんなに近くにもfが0になる原点以外の点がある"という。
放物線上でfは0になるから示せる。
例えば半径r(r<1に限っておく)の開円盤に対して
x=r/2, y=(r/2)2
を使えばよいだろう。

7.2
偏導関数も問題文で教えてくれればいいのに...
fx=(-2)(2x)(3+8x2)/(1+x2+y2)23+16x/(1+x2+y2)2
=4x-16x3+16xy2/分母
fy=(-2)(2y)(3+8x2)/分母
これらを=0とおいて連立させる。
fy=0からy=0を得る。
fx=0からx=0,±1/2を得る。
よって停留点はその3つ。次にそこでのヘッセ行列式の符号を。
(0,0)ではfxxfyy-fxyfxy=4・(-4)-0=(負)
よって極大でも極小でもない。
(±1/2,0)ではfxxfyy-fxyfxy=(負)(負)-0=(正)
fxx+fyy=(負)
よって極大である。

7.3
f(x,y)=AB+BC+CA=2sinx+2siny+2sin(π-x-y)
=2{sinx+siny+sin(x+y)}.
偏微分する。
fx=2{cosx+cos(x+y)}
fy=2{cosy+cos(x+y)}
どちらも0とおくとcosx=cosy,xとyの範囲的にx=y,
そしてcosx+cos2x=0を積にしてx=y=π/3を得る。
ヘッセ行列式を計算しておく。
fxx=2{-sinx-sin(x+y)}
fxy=-2sin(x+y)
fyy=2{-siny-sin(x+y)}
x=y=π/3の時
fxxfyy-fxyfxy=大大-小小=(正)、
fxx+fyy=(負)
よって確かに極大。
しかしながら、ここから最大と主張すると多分怒られる。
境界で最大になるかもしれない。
[この場合は正三角形以外はいじって周を幾何的に長くできるので
境界でfが最大になることはないと分かる。
一般には境界の場合の値を計算して検査だ。]

7.4
ヘッセ行列の固有値が共に正よりその2点は極小を与え、しかし他に停留点はない。
・f(x,1)=-a(x)+b(x)はx=0で極小となるが、
・f(x,0)=b(x)はx=0で停留してはいけない。
適当にf(x,1)=x2,f(x,0)=x、すなわち、
a(x)=-x2+x, b(x)=xとしてみる。
(中略)...だめじゃん。(fyy=0なので)

a(x)=-x2+x+1/4,b(x)=xにしてみる。
f(x,y)=(-x2+x+1/4)(y4-2y2)+x.
fx=(-2x+1)(y4-2y2)+1
fy=(-x2+x+1/4)(4y3-4y)
これらを0とおく。
fy=0よりy=0,±1あるいはx=1/2
fx=0に代入すると、
y=0の場合1=0を満たすxはない。
y=±1の場合-(2x+1)+1=0.x=0に限られる。
x=1/2の場合1=0を満たすyはない。
というわけで停留点の条件はOK.
ヘッセ行列の行列式を計算しておく。
fxx=-2(y4-2y2)
fxy=(-2x+1)(4y3-4y)
fyy=(-x2+x+1/4)(12y2-4)
停留点でfxy=0,fxx=2>0,fyy=2>0なのでOK.
答え:a(x)=-x2+x+1/4,b(x)=xとか

補足:ヘッセ行列の話
f(x,y)が停留点のとき、fの"ベクトルu(偏角θ)方向の2次導関数"を考えてみる。
それはg(s)=f(a+scosθ,b+ssinθ)の2次導関数だから、
g'(s)=fx cosθ + fy sinθ
g''(s)=(fxx cosθ+fxy sinθ)cosθ+(fyx cosθ +fyy sinθ)sinθ
={(fxx fxy (cosθ  (cosθ
  fyx fyy) sinθ)}・ sinθ)
よってヘッセ行列とuの行列積がuに平行になるときにこの値は極値をとる。と思う。
そのようなuはこの行列の固有ベクトルであり、その与える極値は対応する固有値である。
固有値の符号は行列式とトレースで計算できる。
なぜなら2次正方行列(a,b;c,d)の固有方程式は
z2-(a+d)z+(ad-bc)=0であり、
ここで解と係数の関係を使うことができるからである。
そういうわけで、
行列式が負⇒固有値は正負1つずつ
行列式が正⇒固有値は同符号で、対角成分の和の符号に等しい
そしてその固有値が2次微分係数を意味することを知れば、
正負1つずつ⇒鞍点
2つともに正⇒極小
2つともに負⇒極大
ということも間違えずにすむだろう。(後注:適当ですまない)
戻る
inserted by FC2 system