和音の考え方


和音を考察するにおいて、やはりその振動数の比が超重要と思います。
もちろん純正律で考えることにします。

・和音の根音:「1」に相当する音=最大公約数の音
ソミ、という和音を鳴らすとします。低音にドを思い浮かべると自然な気がします。
こんな風に、低音にならすと和音が安定して聞こえる音を、根音と呼ぶことにします。
(根音という言葉が実際に使われているのと意味が違うかもしれません...)
これはソ・短ミの振動数比が3:5で、「1」に相当する音がドなんだと考えます。



・シレファという和音を鳴らすと、根音はソだとイメージされますが...
「短シ・レ・ファ」の比は5:6:64/9となります。
(この比の最大公約数の音名を計算すると、ファになります。)
「短シ・レ・長ファ」の比は5:6:36/5となります。
(この比の最大公約数の音名を計算すると、♭ミになります。)
それなら、5:6:7になるようなファを考えたくなります。
(感覚としても、確かにこの和音のファは他の和音のファとは違う気がします)

・同様に:9度の5和音:ソシレファ♭ラの♭ラはどうでしょうか。
この場合も同じようにして、4:5:6:7:8.5と調整することを考えました。
(64/9の短3度上として計算すると4:5:6:64/9:128/15となります。)
この♭ラも他の和音の♭ラとは確かになんか違う音、って感じはします...よね。

(そういうわけで前のページで述べたように、これらは長短では表せない音、です。)

こういう事情で、改めて和音の振動数の最大公約数を「根音」と呼ぶことにします。
非整数の最大公約数とは聞き慣れないでしょうか。イメージできますよね...
数学的には「Aの約数」を集合{x=A/n;n∈N}で拡張して定める感じと思えば良いでしょう。

・減7の和音
先の和音のシレファ♭ラの部分は減7の和音で、鍵盤上でオクターブを4等分しています。
なので、異音同名や長短を読み変えると、他の音が根音になります。
根音の候補は、減7を構成するどれか音の長3度下、となります。上の楽譜に示しました。

・ちなみに長7の和音、ドミソシでは比は4:5:6:7.5で根音はドですね。

・本体の音の並びでは、複雑になると思い、これらを用意しませんでした。
それぞれ、長ファ、長長♭ラ、で代用しています。(単にソシレの近くにある理由で)
ちなみに、一番下の段は短調の導音用です。これらが、音を5行に並べた理由です。
・それなら長とか長長とかいう風に音を呼ぶのではなく、属ファとか呼んだ方が良かったんじゃないか、
と私もちょっと思いますが、それは、私が転調で枠が上下にスライドする可能性を捨てられなかったため
長ファも必要になるかもしれないかも、などと考えた結果です。

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