異名同音


・私の音に対する感覚:

私は絶対音感はあります。でもそれ以上はあまり分かりません。
調律がされてないピアノの音の高さの違いはほとんど分かりません。

(最近になって)異名同音は別のイメージとして認識できます。
小さいころから半音あげて弾いてみるということをしてました。
だから♯ミ、♯シの音や、嬰ハ長調は簡単にイメージできました。

でも逆に、半音下げると言うのはあまりやったことがなくて、
例えばシューベルトの即興曲op.90-2,4や革命エチュードなど、
♭ドが出てくる付近は、私は♯系に読み替えて音を覚えていました。
(私は暗譜するときは結構「音」で覚えるタイプです。)

♭ドをシと区別するようになったのは昨年=2011年の夏ぐらいです。
シューベルトの即興曲op.90-1で、音名を歌いながら弾いてみたら、
変ハ長調の雰囲気に感動して、それ以来、変ハ長調が大好きになりました。

音名を歌うということは、相対音感的に音をとらえるのとちょっと似ています。
特に変ハ長調では主音をドとして歌うので、まさにそういうことになります。
そうすると、ハ長調はなじみ深く、和音がどうなってるか、理解しやすいです。
ショパンの幻想即興曲の中間部は嬰ハ長調で歌うとより心を込めやすい気がします。

・調の「地図」
バッハの平均律の3番嬰ハ長調を見たことがあります。ダブルシャープがいっぱいです。
曲中には例えば嬰ホ短調的な文脈になったりもします。
そのあたり音を鳴らしてみると、さすがにヘ短調に聞こえてしまいました…。

その調の地図が脳内に無い、そんな気分でした。思い浮かべられないのです。
たぶんその地図は、その調の音楽を経験積むことで作られていくんだと思います。

調ごとに地図のようなものが頭の中にある、そんな風に思う経験が他にあります。
ある調では容易に思い浮かぶ和声進行が、他の調では思い浮かびにくいことがあります。
ハ長調が一番いろんな和音をよく理解できる気がしますが、逆に、
ハ長調から離れた調のほうが、型にとらわれない斬新な和声が思い浮かぶ印象もあります。

・異名同音の識別
適当に和音などについて、その音名を識別できるか、という問題です。
特に減7の4和音でこの問題は顕著で、音名が違うと音楽的に違う意味を持つ、
ということは今の私にはよくイメージできます。
(私は中学の頃はそれができていなかった証拠がありますが。)
♭レ・ドは割と協和するけど♯ド・ドは不協和である、等…。
一番顕著な例は減7の4和音でしょう。
シレファ♭ラの和音は♭ラ→ソと向かうのをイメージしますが
シレファ♯ソだったら♯ソ→ラと向かう、イ短調をイメージします。
もちろんその背景は、後でも出てくるように減7というのは、本質的には、
属短9(ソシレファ♭ラ・ミ♯ソシレファ)の5和音の一部、だと思います。

ですから、本考察でも、異名同音は明確に区別して行ったわけです。

・ところで調のイメージはどこからやってくるか
「♯ファ」とはファを「半音上げた音」、「♭ソ」とはソを「半音下げた音」
このようなイメージが元になっていると考えます。が、まだよく分かりません。

ちなみに振動数を指定して音を鳴らして聞く経験に置いて、黒鍵の方が許容の幅が広かったです。
つまり私の音の認識では黒鍵の音は白鍵より広い範囲を持っています。
(例えば♯ファに聞こえる範囲はファに聞こえる範囲より広い、ということです。)

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