2.4 ここまでの整理


<kの条件>
・pを素数とする。Φ[k](x)がpで割り切れるkの必要十分条件は、
x^K≡1(mod p)を満たす最小のKによって、k=K*p^q (q=0,1,2,...)で書けること。(2.2節)

・pが素数でない時は、Φ[k](x)がpで割り切れるkはあったとしても唯一である。(2.3と2.4節)
 特に素数のべき、すなわちp=P^q (Pは素数、q≧2)の場合については、
 x^K≡1(mod P)を満たす最小のKが、ついでにx^K≡1(mod P^q)も満たす時に限り、
 Φ[k](x)がp^qで割り切れるkが存在する。そのKがそれである。(2.3節)

系:a<bとする。
 Φ[a](x)とΦ[b](x)が公約数pを持つ ⇔ pは素数かつb=a*(pのべき乗)
#よって公約数は持つとしても1つの素数に限る。
#さらに上記唯一性から、公約数は1つの素数を1回に限る。
#特にaとbが素ならΦ[a](x)とΦ[b](x)は互いに素である。

<pの条件>
・Φ[k](x)が素数pで割り切れるような有理数xが存在するpの必要十分条件は、
(kのうちp以外の素因数で構成される部分=K) がφ(p)の約数であること。(2.2節)

#このときxは(mod p)の原始根aによってx≡a^(φ(p)/K) と得ることができる。
(∵そのときx^K≡1(mod p)を満たす最小のKがそのKであるから12節の条件となる。)
#そうでない時はx^K≡1となるxが存在しないから、必要性も言えた。

・また、そのとき、kとpが互いに素である場合に限り、
 任意のp^q(q≧2)に対してΦ[k](x)がpで割り切れるxが存在する。
・そうでない場合はΦ[k](x)がp^2で割り切れるxでさえも存在しない。(2.3節)

系:xが有理整数の時、Φ[k](x)の素因数はkの約数を除けば、Nk+1型のみである。
応用:1がk個並んだ数の約数は、kが素数ならばNk+1型のみである。
 ただしkが10-1=9の約数である時を除く。10進法以外でも同様のことが言える。

<xの条件>
・条件を満たすならΦ[k](x)≡0 (mod p) を満たすxを上記のように見つけて来られる。
 φ(k)個の整数解があり、それらが解のすべてである。(1.1節でも触れた)

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