x^pが共役であること


pは素数、xが(mod p)での代数的剰余類とする。
前節でx=a+b√qの場合、x^p≡a-b√qになると述べたが、一般に次が成り立つ。

☆主張☆:x^p,x^(p^2),...達はxの共役となる。

xが原始根のときに成り立つことを示せば十分である。
xが原始根の時、xはp^m-1乗する間巡回網羅するので
x^p,x^(p^2),...x^(p^(m-1))はすべて異なる剰余類である。

さて整数yにおいて y^p≡y なので任意の多項式で f(y^p)≡f(y) (mod p)
ということは f(y^p)=f(y)*Q(y)+p*R(y) と書ける。
そうするとyが整数でなくてもf(y^p)≡f(y) (mod p)が成り立つことが分かる。

補足:f(x^p)≡f(x)^p (mod p) が正しいです。多項定理で確認可能です。
したがって f(x)≡0 ならば f(x^p)≡0 が従う。

#共役、最小多項式の用語についてはa.3節参照。
#3次以上の具体例はちょっと挙げにくいのが辛い...

☆2次の時にはd.1 スクリプトで次のようにして試せる。
 2次の無理数範囲でxのk=15乗が初めて1(mod p)となるxを、いろいろなpで見てみる。
前節で見たフェルマーの小定理の拡張を考慮すると、
このようなxが存在する素数pの条件は、15がp^2-1の約数であることである。

・p=11では例えばx=1+2√2が15乗で初めて1になる。x^11がxの共役となっている。
・p=19では例えばx=1+6√3が適する。x^19≡x^4がxの共役となっている。
・p=29では例えばx=2+√3が適する。x^29≡x^14がxの共役となっている。
・p=31では適するxは有理数である。例えばx=7が適して、共役はx^31≡x自身。
☆要するにpが15N+b型のときはx^bがxの共役となる。

この現象は、後の4.3節でポイントになる。

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