あとがき

とみせかけた雑談
思ったより大変でした。

元々は、解の巡回という話題でした。
3次方程式は判別式が平方数 ⇔ 他の解が1つの解の多項式で書ける
という話とかでした。

4次方程式だと他の解が1つの解の多項式g(α)で書ける場合でも、
g(α)の合成が3つとも2解の合成で元に戻ってしまうことがありました。

Φ[12](x)=x^4-x^2+1の解はα,α^5,α^7,α^11
(α^5)^5, (α^7)^7, (α^11)^11 はいずれもαになります。
巡回群ではない、という用語になると思います。

正規なn次式f(x)にはある法kと部分群Aに対応すると分かった今では、
解の共役関数が巡回群になる ⇔ xがn乗して初めてAに属するxが存在する
という風に条件を書けます。
#k=15ではA={1}(n=8)とA={1,4}(n=4)は巡回になりませんが、
 A={1,11},{1,14}(n=4)では巡回的になります。x=2,x=7が条件に適します。

当初は他の解を表す多項式の見つけ方に関心がありました。
解が1の原始k乗根αの多項式で書くことができれば、
4.3節で実行したような連立方程式的な方法で求まると考えました。

合同方程式の解法をちょっと調べてた頃がありました。
形式的に無理数を有理数に直す方法を理解して、新鮮に感じました。
1が素数k個並んだ数の素因数はNk+1型ばかりという事実は別に見つけていました。
そこでは、2.2節でやった方法とは別で、次のようなすごい適当な前提によるものでした。

「kが素数だったらx^k-1がpで割り切れる ⇒ そのkはx^k-1がpで割り切れる最小のk」
「x^k-1がpで割り切れる最小のkとするとp=Nk+1」(こっちは尤もです。)

今回、2.2節のように円分多項式を使うことでより一般化できました。

a.5節で例にしたf(x)=x^4+52x^3-26x^2-12x+1は実はレムニスケート関数の5倍公式由来です。
f(x)をガウス素数の範囲で素因数分解すると素因数は5N±1,5N±iに限られます。
このことは、2.2節の方法とは別の方法で説明することに成功しています。

まずは三角関数でやってそれから類推しました。概略だけ。
<三角関数>
・sint=s、(sint)^2=x とおいて、T[k](x)=(sinkt)^2 とする。
T1(x)=x, T2(x)=4x(1-x), T3(x)=x(4x-3)^2, ...
・加法定理によりT[a+b]T[a-b]=(T[a]-T[b])^2
・T[k](x)をpで割った余りはkを動かすとき周期性である。
・kが奇数ならばT[k](x)≡x^k≡x=T[1](x) (mod k)が成り立つ。
・上の式にa=k,b=1を適用すればT[k-1]≡0かT[k+1]≡0が成り立つことが言える。
・よっていT[K]が初めてpで割り切れるとするとp-1かp+1がkの倍数。(∵周期性)

<レムニスケート関数>
・x=(sn(u))^4, X[k]=(sn(ku))^4 と表記する。sn'(ku)=√(1-X[k])
 sn(a+b)={sn(a)sn'(b)+sn'(a)sn(b)} / {1+(sn(a)sn(b))^2}
 sn(a+b*i)={sn(a)sn'(b)+i*sn'(a)sn(b)} / {1-(sn(a)sn(b))^2}

X[1]=x, X[1+i]=-4x/(x-1)^2, X[2]=16x(x-1)^2/(x+1)^4,
X[2+i]=x(x-(1-2i))^4/((1-2i)x-1)^4,
X[2-i]=x(x-(1+2i))^4/((1+2i)x-1)^4,
X[3]=x(x^2+6x-3)^4/(3x^2-6x-1)^4,
X[4]=256x(x-1)^2(x+1)^4(x2-6x+1)^4/(1+20x-26x2+20x3+x4)^4,
X[5]=x(x2-2x+5)^4(x4+52x3-26x2-12x+1)^4/(5x2-2x+1)4(x4-12x3-26x2+52x+1)^4

・加法定理によるとX[a+b]X[a-b]X[a+bi]X[a-bi]=(X[a]-X[b])^4/(1-X[a]X[b])^4
・ここでもpがガウス奇素数ならばX[p]≡x=X[1](mod p) が成り立つようである。
 よってX[p]の独自部分がpで割り切れる時、pはNk±1,Nk±i型となる。

このあたりの分野の先には、類体論とかいうのがあるようです。
でもちょっと難しくて、(特に用語が...)ついていけませんでした。

 目次 inserted by FC2 system