新・追記


集合A: kを法とする既約乗法群の部分群
m=Aの元の個数, n=φ(k)/m
複素数α: 1の原始k乗根=Φ[k](x)の解
複素数β=u(α)=Σx^c [c∈A]
W(x): βの最小多項式(n次式になる)

☆主張☆
素数pをkで割った余りが集合Aに属するならば、
W(x)がpで割り切れるような整数xが存在する。
逆にW(x)が素数pで割り切れるような整数xが存在するならば、
pをkで割った余りが集合Aに属するか、さもなければ、
pはW(x)の判別式の約数か、あるいはkの約数である。

#逆にpがW(x)の判別式を割り切る時に
 W(x)がpで割り切れるxが存在する条件は見つけられていない。
#pがkの約数のときには、k=p^N*q (p,qは互いに素)とおいた時に
 p≡c (mod q) となるc∈A が存在することが条件となる。
#最初、最後の「kの約数」の条件を見逃していた。
 W(x)の判別式は多くの場合kの倍数になるからである。
この条件が必要な例はk=21,A={1,4,10,13,16,19},W(x)=x^2-x+1,p=7 である。

[証明]
商群 (kを法とする既約乗法群)/A = B とおく。|B|=nであり、
u(α)の共役は u(α^d), [d∈B] で与えられる。
よって W(x) = Π(x-u(α^d)) [d∈B] が成り立つ。

以下標数pの体において考える。1の原始k乗根をζとすると
W(x) = Π(x-u(ζ^d))[d∈B] ・・・@ と分解される。

[1] まず、pをkで割った余りがAに属するとする。
このとき、Aは群であるから、
集合pA = {pa|a∈A} は(kを法として) Aと同一であることに注意する。

{u(ζ)}^p = (Σζ^d [d∈A])^p = ζ^(dp) [d∈A]
ζ^k=1 と先ほどの注意より、右辺は u(ζ) に一致する。
よってX=u(ζ)は X^p-X=0 を満たすから、有理整数である。
[ ∵ X^p-X = X(X-1)(X-2)....(X-(p-1)) ]

同様にしてu(ζ^d)[d∈B]はすべて有理整数と言えて、
@は W(x) = Π(x-有理整数) に分解することができる。
すなわち W(x)がpで割り切れる整数xが存在することが言えた。

[2] 今度は、pをkで割った余りがAに属さないとする。
u(ζ^d)の中に有理整数となるようなものが存在する。
u(ζ^d) = {u(ζ^d)}^p = u(ζ^dp) が成り立つことになる。

(1)pがkと素である場合
Π(x-u(y^d)) において、p∈Aでないことから、
@の分解で (x-u(ζ^d)) と (x-u(ζ^dp)) は別々の項として現れる。
先の結果からそれらは等しく W(x)は重根を持つことになる。
これは pがW(x)の判別式を割り切ることを意味する。

(2)pがkと素でない場合;k=pq とおく。
u(ζ^d) = {u(ζ^d)}^p = u(ζ^dp)
η=ζ^pは1の原始q乗根である。Σ(η^cd) [c∈A]
これが有理整数になる条件は
1の原始q乗根の場合の議論に帰着させることができる。
qが再びpで割り切れる場合は繰り返す。
すなわち k=p^N*q (p,qは互いに素)と書いた時に、
pをqで割った余りがAに属していることが、
u(ζ^d)が有理数となり得る必要十分条件となる。

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