2.3 Φ[k]の約数(合成数)


☆主張(素数のべき)☆
pを素数とする。xはK乗して初めて1(mod p)とする。次たちが成り立つ。
(1) xを固定した時、Φ[k](x)がp^q(q≧2)で割り切れるとしたらk=Kに限る。
(2) qを固定した時、Φ[K](x)がp^q(q≧2)で割り切れるxが存在する。
 (qに関わらずp^qを法としてφ(K)個存在する。)

[証明]
(1): 少なくともΦ[k](x)がpで割り切れる必要がある。前節よりk=K,Kp,Kp^2,...
 x^K が p^q+1型とすると、x^(Kp^j) は p^(q+j)+1型である。(1.2節)
 つまりxKp^j-1がpで割り切れる回数は1回ずつ増えている。
 Φ[Kp^(j+1)]は(xKp^(j+1)-1)/(xKp^j-1)の因数だからpで1回しか割れないことが分かる。
 よってpで2回以上割り切れる可能性があるのはk=Kの時に限る。

(2): 原始根の存在(1.2節)による。構成の仕方は前節と同じである。

☆主張(その他の合成数のとき)☆
Cが異なる素数A,Bの積であるとする。
以下にように考察すれば良いだろう。
Φ[k](x)が素数Aで割り切れる ⇔ kはK1を初項とする公比Aの数列の項である
Φ[k](x)が素数Bで割り切れる ⇔ kはK2を初項とする公比Bの数列の項である
Φ[k](x)がCで割り切れる ⇔ kが上の両方の条件を満たす

公比が異なる等比数列が項を共有するとしたら、それは唯一である。
すなわちxを固定した時Φ[k](x)がCで割り切れるkは高々1つである。

#一方、kを固定してxの分布を見る場合は、状況が違う。
 Φ[k](x)がA,Bで割り切れるxがそれぞれ存在するならABで割り切れるxも存在する。
(∵Aで割り切れる時のxをa、Bで割り切れる時のxをbとする。
 Aで割ってa余り、Bで割ってb余る数をxとすれば良い。)

#Φ[3]=x^2+x+1はx≡4,16の時、3*7=21で割り切れる。
#Φ[3]はx≡11,121,102,30の時、7*19=133で割り切れる。
#Φ[6]≡x^2-x+1はx≡17,75,10,82の時、7*13=91で割り切れる。
(解xの個数は構成の仕方からしてφ(K1)*φ(K2)個であろう。
 また、共役の考察からkと素なdに対してx^dも解である。)

円分多項式の表をみつつ、ぜひいくつか例を試されたい。
必要に応じて前節の主張と、7の図13の図なども見比べつつ...

☆例えばΦ[3](x)はかなり素数になる印象だがどれくらいの確率で素数になるのだろう。
 これは難しい問題。わかりません。

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